教育費が払えない・不安なときの相談先 小中学生・高校生・大学進学の別
公開日 2026-10-06
給食費の引き落としの知らせ、修学旅行の積立、高校の入学金。払えるかどうか分からない支払いが重なると、まずどこに電話すればいいのかが分からなくなります。
先に答えを書きます。 最初の相談先は、子どもの学年と困りごとで決まります。
- 小学生・中学生:学校(事務室か担任)か、市区町村の教育委員会。「就学援助」の窓口です
- 高校生:通っている高校の事務室
- 大学・専門学校に進むお金:高校3年生のうちは高校、入学してからは進学先の学校
- 生活費全体が足りない:住んでいる地域の「自立相談支援機関」(生活に困ったときの相談窓口)
- ひとり親の家庭:上に加えて、ひとり親家庭の担当窓口
住んでいる市区町村の公式サイトに、就学援助の年収の目安や申し込み方が載っているかは、市区町村名で探すから確かめられます。載っていれば、公式サイトのそのページへのリンクから進めます。
教育費の制度には、返さなくていいもの(援助・給付・授業料の支援)と、返すもの(奨学金の貸与・貸付・ローン)があります。返さなくていい制度に当てはまるかを先に確かめ、足りない分を借りる制度で考える順番にすると、あとで返す額を小さくできます。
すでに引き落としができなかったとき
まず、引き落としの知らせを出したところ(学校の事務室か、市区町村の担当)に連絡します。引き落としができなかったことと、払い方を相談したいことを伝えてください。
就学援助をまだ申し込んでいなければ、同じ連絡で申し込み方を尋ねます。文部科学省の令和7年度の調査では、回答した1,763市町村のうち1,677が、就学援助の申請を年度の途中でも受け付けています。ただし、そのうち1,601は、締め切りを過ぎてから申し込んだ場合、申し込んだ月か認定した月からの援助です。多くの市町村では、早く申し込むほど援助を受けられる月が増えます。すでに払えなかった分が援助の対象になるかは、申し込むときに尋ねてください。
出典:文部科学省「就学援助実施状況等調査結果」(令和8年7月8日公表)
困りごと別の相談先
| 困っていること | 使える制度(返す?) | 相談・申し込みの先 |
|---|---|---|
| 小中学校の給食費の引き落としができなかった | まず学校に連絡。就学援助(返さない) | 学校、市区町村の教育委員会 |
| 小中学校の学用品・給食費・修学旅行費 | 就学援助(返さない) | 学校、市区町村の教育委員会 |
| 高校の授業料 | 高等学校等就学支援金(返さない) | 通っている高校 |
| 高校の教科書・教材など、授業料以外の費用 | 高校生等奨学給付金(返さない) | 住んでいる都道府県か、通っている高校 |
| 高校の修学旅行の費用 | 払い方を学校に相談 | 通っている高校の事務室 |
| 大学・短大・専門学校などの授業料・入学金 | 高等教育の修学支援新制度(返さない) | 高校在学中は高校、入学後は進学先の学校 |
| 大学・短大・専門学校などの費用を奨学金で借りる | 日本学生支援機構の貸与奨学金(返す。第一種は利子なし) | 高校在学中は高校、入学後は進学先の学校 |
| 高校・大学などの入学や在学の費用を借りる | 生活福祉資金の教育支援資金(返す。利子なし) | 市区町村の社会福祉協議会 |
| 高校・大学などの入学や在学の費用を借りる | 国の教育ローン(返す。利子あり) | 日本政策金融公庫 |
| ひとり親家庭の、入学や在学の費用 | 母子父子寡婦福祉資金(返す。利子なし) | ひとり親家庭の担当窓口 |
| 教育費だけでなく、生活費全体が足りない | 生活困窮者自立支援制度(相談の窓口) | 自立相談支援機関 |
自分のまちの窓口の探し方
このサイトの市区町村ページで見る。 市区町村名で探すから、住んでいる市区町村のページを開きます。就学援助について「うちは対象になる?(年収の目安)」「いくらもらえる?」「入学前にもらえる?」「どうやって申し込む?」の4つが、公式サイトに載っているかが分かります。給食費の金額と、無償化・補助の記載が載っているかも分かります。載っている項目には、公式サイトのページへのリンクを付けています。載っていない項目は、学校か教育委員会に電話で確かめてください。
公式サイトで探す言葉。 市区町村の公式サイトの検索窓に、次の言葉を入れます。小中学生なら「就学援助」。生活費全体の相談なら「自立相談支援」「生活困窮」。借りる制度なら「社会福祉協議会」と市区町村名。ひとり親家庭なら「ひとり親」「母子父子寡婦福祉資金」。高校生の給付金は、都道府県の公式サイトで「奨学給付金」と探します。
電話での聞き方。 担当の課が分からないときは、市区町村の代表の電話にかけて、何に困っているかを伝え、担当の課を尋ねます。
- 教育費の場合:「小学4年生と中学1年生の子どもがいて、給食費と修学旅行の費用が払えそうにありません。就学援助の申し込みはどこでできますか」。子どもの学年と、払えない費用の名前を先に言うと、相手が窓口を判断しやすくなります。
- 生活費全体が苦しい場合:「中学生の子どもと2人で暮らしています。生活費が足りず、学校のお金も払えるか不安です。生活の困りごとの相談窓口はどこですか」。どの制度を使うかを決めていなくても、相談できます。
生活費全体が足りない:自立相談支援機関
教育費の制度は、教育費にしか使えません。家賃や公共料金が払えない、仕事が見つからない、働きたくても働けない。そういうときは、生活困窮者自立支援制度の「自立相談支援機関」に相談できます。相談は無料で、秘密は守られます。本人だけでなく、家族からの相談も受け付けています。
支援員が相談を受けて、どんな支援が必要かを一緒に考え、支援のプランを作ります。家計の状況を一緒に整理して立て直す「家計改善支援」や、子どもの学習支援、進学についての支援、高校に入った子どもが中退しないための支援を行う「子どもの学習・生活支援事業」もあります。どの支援を受けられるかは、窓口で尋ねてください。
窓口は、住んでいる地域の自立相談支援機関です。全国の窓口は、厚生労働省のページからつながる「自立相談支援機関 相談窓口一覧」に都道府県別に載っています。一覧で見つからないときは、市区町村の代表の電話で「生活の困りごとの相談窓口はどこですか」と尋ねてください。
出典:厚生労働省「生活困窮者自立支援制度」/厚生労働省「生活困窮者自立支援制度のチラシ」(PDF)
小学生・中学生の学用品・給食費・修学旅行費:就学援助
誰が: 生活保護を受けている家庭と、市区町村が「生活保護に準ずる程度に困っている」と認めた家庭です。後のほうの基準は、市区町村ごとに決めています。基準は1つとは限りません。文部科学省の令和7年度の調査では、回答した1,763市町村のうち1,397が「生活保護の基準額に一定の係数を掛けたもの」を、1,338が「児童扶養手当の支給」を基準に使っています。住民税を払っている家庭でも、ほかの基準に当てはまれば対象になることがあります。
何に: 文部科学省は、生活保護を受けている家庭への援助で国が補助する費目として、学用品費、体育実技用具費、新入学の学用品費、通学用品費、通学費、修学旅行費、校外活動費、クラブ活動費、生徒会費、PTA会費、卒業アルバム代、オンライン学習の通信費、医療費、学校給食費を挙げています。生活保護に準ずる家庭(準要保護)にどの費目をいくら援助するかは、市区町村が決めます。
どこへ: 学校か、市区町村の教育委員会(学校のことを担当している役所の部署)です。上の調査では、回答した1,763市町村のうち1,479が、入学時と毎年の進級時に学校で就学援助の書類を配っています。
対象になる所得の目安がどこに書いてあるか、目安が載っていないときの確かめ方は、記事「就学援助は年収いくらまで?目安を載せている市区町村は全国1,730のうち513」に書いています。対象かどうかは、申請を受けて市区町村の教育委員会が認定します。当てはまるか自分で判断がつかないときも、申請するか、窓口で相談してください。
出典:文部科学省「就学援助制度について(就学援助ポータルサイト)」/文部科学省「就学援助実施状況等調査結果」(令和8年7月8日公表)
小学校の給食費は、令和8年(2026年)4月から軽くなりました。 公立小学校の給食の食材費を、国が市区町村などに支援する仕組みが始まっています。国の支援の基準の額は、小学校の給食(完全給食)で1人月5,200円です。保護者の手続きは原則ありません。ただし、食材費がこの基準の額を超える市区町村では、超えた分をいまも保護者から集めることがあります。小学校でいくら払うのかは、学校からのお知らせか、市区町村の給食の担当で確かめてください。
中学校の給食費や、小学校で基準の額を超えて払う分の給食費は、就学援助で援助を受けられることがあります(援助する費目は市区町村が決めます)。
高校の授業料:高等学校等就学支援金
誰が: 高校などに通う生徒の家庭です。令和8年度(2026年度)の新しい制度では、所得制限がなくなりました。日本国籍以外の生徒は、国籍・在留資格による要件があります。
何に: 授業料です。返さなくていい支援です。支援の上限は年額で、全日制などの場合、公立高校は118,800円、私立高校は457,200円です(学校の種類で変わります)。
どこへ: 通っている高校に申し込みます。手続きは学校からの案内に沿って進めます。学校から案内があれば、スマホやパソコンで申請できる仕組み(e-Shien)も使えます。
出典:文部科学省「高校生等への修学支援」/文部科学省「高等学校等就学支援金」リーフレット(日本国籍の方用・PDF)
高校の授業料以外の費用:高校生等奨学給付金
誰が: 令和8年度は、生活保護を受けている世帯、住民税の所得割が非課税の世帯に加えて、年収490万円程度までの世帯に対象が広がりました。年収の目安は、両親のどちらか一方が働いていて、高校生1人(16歳以上)と中学生1人がいる4人世帯の場合です。家計が急に変わってこれらの世帯になった場合も対象です。住民税の所得割の額は、マイナポータルの「わたしの情報」で確かめられます。
何に: 授業料以外の教育費です。文部科学省は、教科書費、教材費、学用品費、通学用品費、入学学用品費、教科外活動費、通信費などを挙げています。返さなくていい給付金です。
どこへ: 住んでいる都道府県か、通っている高校に申し込みます。授業料の就学支援金とは別に申し込む必要があります。国公立の高校か私立の高校かで、都道府県の担当の課が分かれていることがあります。受付の期間は都道府県ごとに違い、新入生は4〜6月に一部を早めに受け取る申請ができます。たとえば岐阜県の公立高校の生徒の分は、令和8年度の通常の受付を9月18日に締め切り、家計が急に変わった世帯の分を令和9年(2027年)2月26日まで受け付けています。締め切りが過ぎていても、家計が急に変わった場合の受付があるかを都道府県に尋ねてください。
高校の修学旅行の費用。 文部科学省がこの給付金の費目として挙げる中に、「修学旅行」という言葉はありません。修学旅行の積立が払えそうにないときは、高校の事務室に、払い方を相談できるかと、給付金をあてられるかを尋ねてください。
出典:文部科学省「高校生等奨学給付金」リーフレット(PDF)/文部科学省「高校生等奨学給付金(奨学のための給付金)」令和8年度予算の資料(PDF)/文部科学省「高校生等奨学給付金(専攻科含む)のお問合せ先一覧」/岐阜県「高校生等奨学給付金」
大学・短大・専門学校の費用:修学支援新制度と日本学生支援機構の奨学金
返さなくていい支援(高等教育の修学支援新制度)。 住民税が非課税の世帯と、それに準ずる世帯の学生が対象です。支援は2つあります。1つは授業料と入学金の減免(免除または減額)。もう1つは、日本学生支援機構の給付型奨学金で、返さなくていい奨学金です。
年収の目安は、親の一方だけが給与収入を得ていて、親2人・本人・中学生の4人家族の場合、満額の支援が約270万円まで、3分の2が約300万円まで、3分の1が約380万円までです。扶養している子どもが3人以上いる「多子世帯」の学生は、令和7年度(2025年度)から、所得制限なく、国が決めた上限額まで授業料と入学金の減免の対象になっています。私立大学などの理工農系の学部・学科の学生も、年収の目安が約600万円までの世帯なら対象になる場合があります。
対象になるのは、この制度の対象として確認を受けた大学・短大・高等専門学校・専門学校で、文部科学省のページに一覧があります。自分の家庭が対象になりそうかは、日本学生支援機構の「進学資金シミュレーター」で試算できます。
返す奨学金(日本学生支援機構の貸与奨学金)。 修学支援新制度に当てはまらない家庭でも、日本学生支援機構の貸与奨学金を使えることがあります。利子のない「第一種奨学金」と、利子のある「第二種奨学金」があり、どちらも返す奨学金です。それぞれに家計の基準と学力の基準があります。
どこへ: 進学前に申し込む「予約採用」は、在学している高校を通じて申し込みます。申し込みの書類は高校で受け取り、入力の期限は高校が決めます。進学してから申し込む「在学採用」は、進学先の学校を通じて申し込みます。授業料と入学金の減免を希望するときは、給付型奨学金に申し込みます。高校1・2年生のうちに進学資金シミュレーターで、給付と貸与のどちらに当てはまりそうかを試しておくと、進学前の申し込みのときに迷わずにすみます。
出典:文部科学省「高等教育の修学支援新制度」/文部科学省「高等教育の修学支援新制度」リーフレット(PDF)/日本学生支援機構「給付奨学金(返済不要)」/日本学生支援機構「貸与奨学金(返済必要)」/日本学生支援機構「進学前に申し込む(予約採用)」
借りる:生活福祉資金の教育支援資金
誰が: 必要なお金をほかから借りるのが難しい低所得の世帯です。厚生労働省は「市町村民税非課税程度」と書いています。
何に: 2つあります。「教育支援費」は、高校・高等専門学校・短大・大学に在学している間の費用です。上限は、高校が月3.5万円、高等専門学校と短大が月6万円、大学が月6.5万円です(特に必要と認められた場合は、それぞれ1.5倍まで)。「就学支度費」は、高校・大学などに入学するときの費用で、上限は50万円です。
返し方: 利子はかかりません。連帯保証人は要りませんが、世帯の中で一緒に借りる人(連帯借受人)が必要です。卒業後6か月以内の据え置き期間のあと、20年以内に返します。貸すかどうかは、返せる見込みも考えて決められます。
どこへ: 住んでいる市区町村の社会福祉協議会です。
出典:厚生労働省「生活福祉資金貸付制度」/厚生労働省「生活福祉資金貸付条件等一覧」
借りる:国の教育ローン(日本政策金融公庫)
誰が: 高校・大学・専門学校などに入学・在学する子どもの保護者です。世帯年収の上限は、扶養している子どもの人数で変わります。子どもが1人なら790万円、2人なら890万円、3人なら990万円です(給与で収入を得ている場合。一定の条件に当てはまると上限が上がります)。
何に: 入学金や授業料のほか、通学の定期代、塾・予備校の費用、パソコンの購入費などにも使えます。借りられるのは子ども1人につき350万円までで、自宅外通学や海外留学などに当てはまる場合は450万円までです。日本学生支援機構の奨学金と一緒に使えます。
返し方: 利子がかかります。金利は固定で、令和8年7月1日現在は年4.05%(保証料は別)です。ひとり親家庭や、世帯年収200万円以内の世帯などは、0.4%低い金利になります。金利は時期によって変わるので、申し込む前に日本政策金融公庫のページで確かめてください。返す期間は20年以内です。
どこへ: 日本政策金融公庫です。
出典:日本政策金融公庫「国の教育ローン ご利用条件・金利・ご返済方法」
ひとり親家庭:母子父子寡婦福祉資金の修学資金・就学支度資金
誰が: 配偶者がいなくて子どもを扶養している母や父の家庭などです。借りる人は、親か、子ども本人です。
何に: 「修学資金」は、高校・高等専門学校・短大・大学・大学院・専修学校に通うための授業料、書籍代、交通費などです。「就学支度資金」は、小学校・中学校・高校・大学などに入学するときに必要な、被服などを買う費用と、大学などの受験料です。
返し方: 修学資金と就学支度資金は、利子がかかりません。親が借りる場合は、子どもが一緒に借りる人(連帯借受人)になり、連帯保証人は要りません。大学などで修学支援新制度の支援を受けられる場合は、その分を差し引いた額が借りられる上限になります。
どこへ: 住んでいる地域の自治体の、ひとり親家庭の福祉の担当窓口です。
借りられる上限の額は学校の種類や通い方で変わります。出典の表で確かめるか、窓口で尋ねてください。
出典:こども家庭庁「ひとり親家庭の支援について 4.経済的支援」(令和8年4月1日現在・PDF)/こども家庭庁「ひとり親家庭のためのポータルサイト 支援施策について」
返さなくていい制度と借りる制度の組み合わせ
借りる制度の中でも、生活福祉資金の教育支援資金、母子父子寡婦福祉資金の修学資金・就学支度資金、日本学生支援機構の第一種奨学金は利子がかかりません。国の教育ローンと、日本学生支援機構の第二種奨学金は利子がかかります。
大学などの費用では、返さなくていい制度と借りる制度を組み合わせることができます。国の教育ローンは、日本学生支援機構の奨学金と一緒に使えます。母子父子寡婦福祉資金は、修学支援新制度の支援を受けられる分だけ、借りられる上限が下がります。
確かめた時点
この記事の制度の内容と金額は、2026年10月6日に各省庁などの公式サイトで確かめたものです。制度は年度の途中でも変わることがあります。申し込む前に、出典のページと窓口で確かめてください。
この記事の数字は全国のまとめと調べて分かったことの数字と同じです。
お住まいの市区町村は、どこまで載せていますか
市区町村の名前から、学童・就学援助・学区・保育の空きが公式サイトに載っているかを見られます。