小学校の給食費は無償になった? 中学校・私立と、市区町村による違い
公開日 2026-10-07
4月から給食費が無料になる、と聞いていました。それなのに、学校から給食費のお知らせが届きます。中学生の上の子の分は、引き落としが続いています。うちは結局、いくら払うのか。
- 公立小学校の給食費は、2026年4月から軽くなりました。 国が、公立小学校の給食の食材費を市区町村などに支援しています。国の基準の額は、小学校の給食(パンかご飯・ミルク・おかずがそろう給食)で、子ども1人あたり月5,200円です。保護者の手続きは原則いりません。
- それでも、小学校で払う分が残ることがあります。 食材費がこの基準の額を超える市区町村では、超えた分をいまも保護者から集めることができます。
- 中学校と私立の学校は、国のこの支援の対象ではありません。 中学校の給食費を無償にしたり補助したりしているかは、市区町村ごとに違います。私立の学校の給食費は、その学校に確かめてください。
- 自分のまちの確かめ方。 市区町村名で探すから、住んでいる市区町村のページを開きます。「給食費」の欄に、公式サイトに金額が載っていれば「小学校:1食330円…」のように金額の要点と、公式サイトのそのページへのリンクが出ます。無償化・補助の記載も同じように出ます。このサイトで見つけられなかったときは「見つけられませんでした(未確認)」と出ます。
- いちばん確かなのは、学校から届くお知らせです。 お知らせに書かれた金額が、給食費そのものの額なのか、補助を引いたあとに保護者が払う額なのかを見分けてください。見分け方は、この記事の「お知らせや公式サイトで給食費の金額を見るとき」に書いています。
出典:文部科学省「学校給食費の抜本的な負担軽減」、文部科学省・総務省・財務省「三党合意に基づくいわゆる教育無償化に向けた対応について」(2025年12月19日)
国の支援で、小学校の給食費はどう変わったか
文部科学省は「無償ではないの?」という問いに「地方自治体によります」と答えています。国の正式な名前も「給食無償化」ではなく、「学校給食費の抜本的な負担軽減」です。
国の支援は、保護者にお金を配るものではありません。市区町村などが給食の食材を買う費用を、国が支援します。保護者の所得にかかわらず、給食のある公立小学校の子どもが一律に対象です(生活保護などの制度で給食費の援助を受けている子どもは、その制度が先に使われます)。支援の基準の額は、子ども1人あたり月の額で決まっていて、1年では11か月分です。
| 給食の種類 | 小学校 | 特別支援学校の小学部 |
|---|---|---|
| 完全給食(パンかご飯・ミルク・おかず) | 月5,200円 | 月6,200円 |
| 補食給食(ミルク・おかず) | 月4,800円 | 月5,800円 |
| ミルク給食(ミルクだけ) | 月1,200円 | 月1,200円 |
小中一貫の義務教育学校の1〜6年生も、「小学校」と同じ額です。
年の額で比べるときは、完全給食の小学校で月5,200円×11か月=57,200円が国の基準の額です。手元の給食費が年の額で書かれていたら、この57,200円と比べると、基準の額を超えているかの目安になります。
給食の中身や回数は市区町村によって違います。食材費がこの額を超える市区町村では、超えた分を保護者から集めることがあります。反対に、国の支援が始まる前から、市区町村が自分の予算で給食費を無償にしていたり、補助していたりする場合もあります。
中学校の給食費は、国のこの支援の対象ではありません。中学校の分を払うかどうかは、市区町村が独自に無償化や補助をしているかで決まります。下の神埼市の例のように、同じ中学校でも学年によって違うことがあります。
重いアレルギーなどで給食を食べられない子どもへの支援を行う市区町村もあり、その支援を受けるときは別に手続きが必要です。対象になるかは、学校か市区町村に問い合わせてください。
出典:文部科学省「学校給食費の抜本的な負担軽減」、文部科学省・総務省・財務省「三党合意に基づくいわゆる教育無償化に向けた対応について」
お知らせや公式サイトで給食費の金額を見るとき
金額の書き方は、1食あたりの額、月の額、年の額の3つがあります。小学校と中学校で額が違うので、多くは分けて書かれています。
| 市区町村 | 金額の書き方 | 書かれていること |
|---|---|---|
| 大分県中津市(一般市) | 月の額(小中別) | 令和8年度の給食費は小学校が月6,500円、中学校が月7,500円。2026年4月から2027年3月までは無償化事業を行っている |
| 愛知県大口町(町) | 1食あたりの額(小中別) | 2026年9月から、1食あたりの額を小学校320円から350円、中学校360円から400円に改定。保護者から集める給食費は町が全額を補助するので、自己負担はない |
| 佐賀県神埼市(一般市) | 年の額(学年別) | 令和8年度は小学校が年57,200円で無償。中学校1・2年は年63,800円のうち年11,000円を助成し、保護者の負担は年52,800円。中学校3年は無償 |
(2026年10月7日に各ページを開いて確認した内容です)
学校のお知らせでも、公式サイトでも、金額を見るときは2つを確かめてください。
その金額は「保護者が払う額」か「本来の給食費」か。 給食費の額と、補助を引いたあとに保護者が払う額を、別々に書いている市区町村があります。神埼市の中学校1・2年は、給食費が年63,800円で、保護者が払うのは年52,800円です。表の最初の数字だけを見ると、払う額を多く見積もってしまいます。
無償化や補助に期間があるか。 中津市は、無償化の期間を2026年4月から2027年3月までと書いています。期間を区切っている場合、次の年度も同じとは限りません。年度が替わる前に、学校のお知らせか公式サイトで確かめてください。
公式サイトで給食費の案内が見つからないとき
公式サイトの中を探すときは、「給食費」「給食費 無償」「学校給食費 負担軽減」で検索すると見つけやすくなります。
それでも見つからないときは、子どもが通う学校か、市区町村の教育委員会に電話で聞いてください。「今年度、小学◯年の給食費は、保護者はいくら払いますか」と、学年を先に言うと、相手が答えやすくなります。中学生がいる家庭は、中学校の分も同じ電話で聞けます。
給食の案内が見つかった1,219市区町村のうち、金額を載せていたのは545
全国1,741の市区町村(自治体)の公式サイトをプログラムで順にたどり、給食費の案内を探しました。給食の案内が見つかったのは1,219です。
給食の案内が見つかった1,219市区町村のうち、
- 給食費の金額を載せていたのは545(44.7%)
- 給食費の無償化・補助があるかないかを載せていたのは816(66.9%)
- 両方を載せていたのは514(42.2%)
- どちらも見つからなかったのは372(30.5%)
でした。
金額は載っていないのに、無償化・補助の記載はある市区町村が302ありました。小学校も中学校も無償なら、金額を書かなくても保護者は困りません。一方で、「小学校は無償」とだけ書いてあり、中学校の給食費がいくらかは別のページやお知らせを探さないと分からない書き方もありました。
残る522市区町村は、公式サイトの中で給食の案内のページを見つけられず、中身を数えていません。載っていない、という意味ではありません。 町では743のうち306、村では183のうち127が、この見つけられなかった側に入っています。町村の数字は、見つけられた分だけで出した割合として読んでください。自分の町や村で見つからないときの聞き方は、上の「公式サイトで給食費の案内が見つからないとき」に書いています。
政令指定都市・特別区・中核市・一般市・町・村に分けると
市区町村を総務省の区分で分けると、こうなります。割合の分母は、どの区分も「給食の案内が見つかった数」です。
政令指定都市は札幌市や横浜市などの20市、特別区は東京23区、中核市は人口20万人以上で国の指定を受けた62市です。それ以外の市は一般市です。
| 区分 | 全体の数 | 給食の案内が見つかった数 | 金額を載せている | 無償化・補助を載せている |
|---|---|---|---|---|
| 政令指定都市 | 20 | 19 | 15(78.9%) | 17(89.5%) |
| 特別区 | 23 | 19 | 12(63.2%) | 18(94.7%) |
| 中核市 | 62 | 60 | 45(75.0%) | 52(86.7%) |
| 一般市 | 710 | 628 | 321(51.1%) | 444(70.7%) |
| 町 | 743 | 437 | 140(32.0%) | 254(58.1%) |
| 村 | 183 | 56 | 12(21.4%) | 31(55.4%) |
どの区分でも、無償化・補助の記載を載せている割合のほうが、金額を載せている割合より高くなっています。
給食費が払えない・払えるか不安なときは
小学校・中学校の給食費は、就学援助(家計が苦しい家庭に、市区町村が学用品や給食費などを援助する仕組み)で援助を受けられることがあります。どの費用をいくら援助するかは市区町村が決めます。中学校の給食費や、小学校で払う分が残る場合に、その分が援助の対象になるかは、市区町村に確かめてください。
就学援助の対象になる所得の目安の調べ方は、記事「就学援助は年収いくらまで?目安を載せている市区町村は全国1,730のうち513」に書いています。すでに引き落としができなかったときの連絡先や、学年・困りごと別の相談先は、記事「教育費が払えない・不安なときの相談先」にまとめています。
数え方
調べたのは、市区町村立の小学校・中学校の給食費です。保育所やこども園の給食費は数えていません。
- 金額を載せている:小学校か中学校の給食費の金額(1食・月・年のどれか、円の単位)が、市区町村の保護者向けの案内に書かれている。補助を引く前の本来の給食費の額も含めました。
- 無償化・補助を載せている:給食費の保護者の負担を軽くする取り組み(全額無償、一部の補助、第◯子から無料など)があるかないかが書かれている。「無償化は行っていません」とはっきり書いている場合も、載っていると数えました。
次のものは、金額や無償化が書かれていても数えていません。議事録・予算書・報道の記事、就学援助の援助の項目として出てくる「給食費」、学校ごとの献立表やお便り。国の支援が2026年4月に始まったので、過去の年度だけに限った案内も数えていません。
公式サイトを調べたのは2026年9月28日〜10月6日です。
このデータの限界
人の目でまだ全件は確かめていません。 公式サイトとPDFの文面をもとに数えていて、1,219市区町村すべてを人が開き直したわけではありません。
見つからなかったと、載せていないは同じではありません。 給食の案内のページを見つけられなかった522市区町村のほかにも、文字が入っていない画像だけのPDFや、プログラムでは中身を読み取れないページは数えられていません。
給食費は年度の途中でも変わります。 大口町のように年度の途中で1食あたりの額を改定する市区町村もあります。この記事の数字と例は、2026年9月下旬から10月上旬に公式サイトに載っていたものです。払う前、申し込む前には、学校のお知らせと市区町村の公式サイトで確かめてください。
確かめることのまとめ
- 小学校の給食費は、国の支援で軽くなりました。ただし、食材費が国の基準の額を超える市区町村では、超えた分を払うことがあります。
- 中学校の給食費は市区町村しだい、私立の学校の給食費はその学校しだいです。
- 確かめるのは、学校のお知らせか市区町村の公式サイトです。見つからなければ、学校か教育委員会に電話で聞いてください。
保護者が読みやすい給食費のページの書き方
国の支援が始まったことで、給食費のページに書くことが増えました。給食費の額、国や市区町村の補助、保護者が払う額、その期間。小学校と中学校、学年ごとに違うこともあります。
神埼市のページは、給食費・助成の額・保護者の負担を1つの表に並べていて、保護者は自分の子どもの学年の行を見るだけで払う額が分かります。中津市のページは無償化の期間を書いていて、来年度どうなるかを気にする保護者が、問い合わせる前に分かります。市区町村で給食費のページを作る方は、この2つを参考にしてください。
この記事の数字は全国のまとめと調べて分かったことの数字と同じです。
お住まいの市区町村は、どこまで載せていますか
市区町村の名前から、学童・就学援助・学区・保育の空きが公式サイトに載っているかを見られます。